【四季のびいどろ】青森の風景と津軽びいどろびいどろにうつした四季の色
龍飛岬 紫陽花北端に咲く紫陽花の力強さ
青森の夏は短い。ねぷた・ねぶたといった夏の祭りは、深い雪に閉じ込められて春の訪れをじっと待つ青森人たちの、うっぷんを晴らすかのように盛大に行われる。力強い掛け声や勇ましい太鼓の鼓動は、短い夏を謳歌するために考え抜かれた生活の知恵なのかもしれない。本州北端に位置する龍飛岬には、そんな青森の夏を象徴する紫陽花が咲く。梅雨の風物詩とも言える紫陽花といえば、雨水に濡れた花草が情緒を誘うが、この地に咲く紫陽花には独特の力強さがある。なぜならこの地は梅雨になることがほとんどなく、代わりに、オホーツク海から冷気を含んだ「ヤマセ」と呼ばれる偏東風や津軽海峡から容赦ない潮風が吹き付けるからだ。紫陽花はそんな厳しい環境の中でも、潮風から力をもらい、短い夏の間に強く生育し、花を咲かせる。
町の花でもあり、「あじさいロード」と呼ばれる道まで生まれるほどになった紫陽花は、およそ40年前からこの地に住む女性たちの手によって、一本一本丁寧に植栽していったという。青、ピンク、紫の花々が、夏の景色を鮮やかにするが、「ここは、本州の袋小路だ。読者も銘肌せよ」と書き残した小説家・太宰治はこの景色を見てはいない。もし、この紫陽花を見たらどのように表現するだろうか。この地に住む人の夏への想いを形にした花である。青森の女性の力強さが秘められている。そんな風に書くのではないか。
青が重なる夏の情景
龍飛岬に広がる紫陽花は、海と空、風と光が織りなす風景に咲き乱れます。紫陽花の濃淡ある青、海の深い青、そして空の青、さまざまな青の情景を色ガラスで重ね、全体に施された金箔は、梅雨の晴れ間に煌びやかに色鮮やかに咲く様を表現しています。初夏に美しい彩りで心癒してくれる紫陽花は、花の人気ランキングで上位に入る馴染み深い花です。
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【龍飛岬】
津軽半島の最北端、津軽海峡に突き出た岬。青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜にある。天気のよい日には津軽海峡を挟み、北海道の松前半島や海峡を渡る船が見渡せる。津軽国定公園の一部。
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