『津軽びいどろ』の生まれた青森県の多彩な「いろ」と「ひと」と「もの」、そして「こと」を訪ねて取材、土地の魅力を発信していくコンテンツです。今回は、豊かな自然が楽しめると人気が高まっている青森キャンプの魅力を、青森県内初となるキャンプ用品専門セレクトショップ「DIRECTION outdoor tools」さんにご紹介いただきました。
多彩なロケーションが愉しめる
「青森キャンプ」。
十和田湖畔で過ごす時間を例に、
その魅力に触れる。
陸奥湾、津軽海峡、日本海に面した海辺の風景や、十和田湖畔、緑の平原、原生林さまざまなロケーションが愉しめる青森はいま、注目のキャンプ場として人気が高まっています。車でそのまま乗り入れることができるオートキャンプ場やコテージタイプの宿泊施設も多く、初心者の方でも挑戦しやすいところも魅力のひとつです。美しい景色の中で自然と一体となって過ごす時間は、日々の喧噪を忘れさせてくれる特別なもの。今回は、そのラインナップの多彩さで県外からも多くのアウトドア・キャンプ愛好家が足を運ぶDIRECTION outdoor toolsさんおすすめの十和田湖畔で、青森キャンプの醍醐味と、アイテムが引き立てる彩り豊かな時間についてうかがいました。
自然とひとつに
葉の揺れる音で
風の行先を知る
陽の暖かさに触れて
水の涼しさに驚く
キャンプ初心者から愛好家まで幅広く楽しめる
個性豊かなキャンプ場が多い、
いま注目の青森。
透明度の高い湧き水を湛えた十和田湖は、特別名勝・天然記念物として国の保護を受ける、美しく豊かな自然が残る十和田幡平国立公園の一部です。カルデラで静かに水が湧く十和田湖は、風のない時期には湖面に映る木々のリフレクトが印象的で、秋になればブナの原生林による黄葉が、景色を黄金色に染め上げます。そんな十和田湖畔にはキャンプができるポイントがいくつかありますが、なかでも宇樽部キャンプ場は、キャンプが趣味の方はもちろん、初心者の方でも気軽に楽しめるキャンプ場として人気です。シャワーやトイレ、炊事場もあり、グループ旅行にぴったりのコテージも完備。リモートワーク向けには、デザインオフィスとコラボレートした、センスの良い専用コテージがあります。車やテント向けのフリーサイトは林間がメインですが、湖のすぐ目の前のスペースも。十和田湖の東湖に面していて、北側には雄大な御倉半島を、天気のいい日には外輪山の先に八甲田の山並みを臨むことができます。広い湖面の上は遮るものが一切なく、木漏れ日をうけるテントのすぐ隣には、水面とどこまでも続く空を満喫できる贅沢な空間です。朝はやわらかな靄がかかった景色を、夜は湖面に映り込む星空のなかで過ごす。時間とともに移りゆく風情を、心ゆくまで眺めることができるのです。
「青森キャンプの魅力は、やっぱり自然の美しさです。宇樽部キャンプ場のように十和田湖の目の前でテントを張るような、この特別感は、何にも代えられません。ほかにも、海岸や草原など、青森にはたくさんの魅力的なロケーションがあります。自分が一番落ち着いたり感動したりできる場所を探して、ぜひキャンプを楽しんでほしいですね。過ごし方でいえば、たとえば宇樽部キャンプ場にはカヤックもありますし、サウナもあるから湖で整うこともできますよ」
そう教えてくださったのは DIRECTION outdoor toolsのオーナー、佐々木 朗人さん。元救急救命士という経歴ながら、好きなものに囲まれた仕事をするために、ガレージブランドを中心とする専門店をオープンしたのだといいます。
アイテム選びも、キャンプの醍醐味。
ガレージブランド専門店
「DIRECTION outdoor tools」
ガレージブランドというのは、大手メーカーが手がけたブランドではなく、小規模な個人事業主などがつくるオリジナリティ溢れるアウトドアギアブランドのことです。細やかな技術やデザインが施された高品質なアイテムも多く、流通量が少ないことから、アイテムとの出会いそのものが楽しみとなっている一面もあるのだそうです。DIRECTION outdoor tools の店内には、佐々木さん選りすぐりのアイテムが並び、ガレージブランドに詳しくなくても、そのデザイン性に目を奪われます。佐々木さんだからこそ仕入れられるアイテムもあり、ここにしかないコラボレートアイテムも多彩です。青森だけではなく県外からのお客さんも絶えず、各地でアウトドアイベントの企画運営も担うなど、まさに東北のアウトドア文化を牽引しているショップなのです。
DIRECTION outdoor tools には、津軽びいどろとコラボレートした「ランタングローブ」も並んでいます。打ち目模様のガラスはランタンの炎に個性的な表情をつけ、夜の時間を引き立てる特別製です。色や模様は佐々木さんと相談しながら、キャンパーに愛されるアイテムをオリジナルで開発しています。 「津軽びいどろのランタンは、ほかにない光のニュアンスが人気で、僕も大好きなアイテムです。器や蚊遣りも、津軽びいどろだと風情が出ていいですよね。キャンプに風鈴もおすすめです。最近は、キャンプ用品に陶器やガラスを使う人が増えました。みんな、お気に入りのアイテムでこの時間を楽しみたいと思っているんですよね」
好きなものだけ
気持ちがいいと思う場所
一緒にいたいと思う人
一目惚れしたデザインと
あとは自由な過ごし方
地元青森へ戻り、
改めて気づいた自然の豊かさ。
誰かとの会話や食事も、
いつもとは違う趣に。
佐々木さんが本格的にキャンプをはじめたのは、大学卒業後。地元青森に帰ってきてから、改めて青森の美しさや、自然の中で過ごす時間の豊かさを実感したのだといいます。沖縄出身のパートナーの影響もあったのだとか。夫婦で少しずつアイテムを揃えていくなかで、キャンプはいつしかふたりのライフワークに。DIRECTION outdoor tools が扱うのは、そうした時間を通じて、佐々木さんが惚れ込んだアイテムばかりです。
「テントやアイテムは自分が素敵だと思ったデザインで揃えると、やっぱり気分が上がりますよね。僕は黒とシルバーをベースに統一感のあるコーディネートにしていますが、テントは一目惚れした真っ赤な北欧ブランドです」
DIRECTION outdoor tools のスタッフは、佐々木さんのセンスに惚れ込んだ方が集まっています。元料理人というスタッフもいて、いわゆる“キャンプ飯”のバリエーションも豊か。ドームクッカーで燻製をつくるなど、屋外ならではのメニューも並んでいました。
「普段は話さないことを話せたり、新しい一面が見つかったり、人との付き合いが深まるところもキャンプの面白さです。使っているアイテムが格好いいなとか、料理のときに出るゴミも目立たないように工夫しているなとか。テントはそれぞれ好きな場所に張って、ひとりの時間も楽しみつつ、食事の時は集まって…という過ごし方もいいと思います」
DIRECTION outdoor tools’s MENU
- 手持ちの調味料で和えればOK:タコセロリサラダ&梅と茗荷の辛味噌和え
- 少ない油でも揚がる:軟骨の唐揚げ
- 晩酌のナッツを砕いてアクセントに:筍と土佐煮のナッツクリームチーズ
- 火にかけて煮るだけ!キャンプの新定番:鯛のアクアパッツァ
- 秘伝の調味料を組み合わせたプロの味:きのこのクリームパスタ
- パスタと一緒に茹でて余熱で完成:鶏ハムのマスタードマヨネーズ
- バター&レモンでビールによく合う:鶏胸肉のバターレモン
- ローズマリーの風味がアクセント:ステーキ
夕暮れを眺め、星をひろい、朝靄で目覚める。
流れる時間に寄り添う、
唯一無二の相棒を探して。
青森は都心に比べて街の明かりが少なく、キャンプ場は街中からも遠いため、昼夜の移り変わりがとても鮮明です。夕暮れを過ぎると月明かりが主となり、星の瞬きはもっと身近に。炎が存在感を増して、木漏れ日の中とは異なる世界が垣間見えると、キャンプの夜がはじまります。
青森の水や酵母でつくられた日本酒と地ビールを片手に、焚き火を囲んで語りあう時間は格別です。焚き火台は人気ガレージブランドとコラボレーションした、DIRECTION outdoor tools の別注デザイン。素敵だなと感じたブランドには熱意を伝える、佐々木さんの結んだ縁がかたちになったアイテムです。津軽びいどろの色ガラスも、揺らめく炎の灯りの中でいつもと異なる表情を見せてくれます。
「キャンプに灯りは欠かせない大切な要素ですから、ランタン、キャンドル、ライト、焚き火台と幅広く扱っています。ほかにも、うちで扱うアイテムは作り手さんの想いがこもった素敵なものばかりです。男性も女性も楽しんでいただけるラインナップですし、一期一会のアイテムもありますので、オンラインショップや店舗で、ぜひ自分好みのものを探してみてください」
津軽びいどろも、佐々木さんが伝えてくれる青森キャンプの魅力を、もっと多くの方に知ってほしいと思っています。青森の自然を五感で味わうキャンプと、青森の四季をガラスで表現する津軽びいどろ。それぞれの視点で、これからも青森の魅力を伝えていけたら幸せです。
ギャラリー
店舗紹介
DIRECTION outdoor tools
店主が実際に使って優れていると感じたもの、『カッコいい』と思ったギアを厳選してセレクトしたアウトドアギア専門店。青森県外からもファンが多く、イベントも随時行なっている。
国道103号沿い、駐車できるスペースあり。店休日・営業時間はInstagramをご確認ください。
〒030-0131 青森県青森市問屋町1-2-10
宇樽部キャンプ場
国有林でキャンプができる人気スポット。オートキャンプサイト、フリーサイト、コテージがあり、設備が充実。十和田湖の自然を満喫できるカナディアンカヌーやサウナも。
営業期間・最新情報はWEBをご確認ください。
〒018-5501 青森県十和田市大字奥瀬十和田湖畔宇樽部