【読みもの】百色の青森 津軽びいどろを訪ねて

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青森をつくる いろ ひと こと

『津軽びいどろ』の生まれた青森県の多彩な「いろ」と「ひと」と「もの」、そして「こと」を訪ね取材、土地の魅力を発信していくコンテンツです。今回は青森県十和田市にある「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」を訪ねました。ビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」における「津軽びいどろ」とのコラボレーションについてご紹介します。

青森をつくること

大自然の爽やかな夏の空気がお出迎え。奥入瀬渓流ホテル 大自然の爽やかな夏の空気がお出迎え。奥入瀬渓流ホテル

山々や渓流に囲まれた
奥入瀬の夏に涼を求めて

奥入瀬の夏は爽やかな木漏れ日のなかにあります。流れる滝の音、森林を駆け抜ける涼やかな風、立ち込める土の香り、森に響き渡る野鳥の鳴き声…。都市の焦げつくような暑さがまるで嘘のように、日常とは別世界の大自然が広がっています。約70kmにわたる奥入瀬川の、上流部14kmのみが奥入瀬渓流と呼ばれ、十和田八幡平国立公園に属し、国の特別名勝及び天然記念物に指定されています。街からわずかに足を伸ばすだけで、気軽に渓流沿いの自然が楽しめるのは、この奥入瀬ならではの魅力。その奥入瀬渓流を間近に望む国内唯一のリゾートホテル「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、まさに森に溶け込むように佇みながら、静かにゲストを迎え入れてくれます。手を伸ばせば届くほどの距離に、夏色に美しく輝く緑の木々。深い森の懐に抱かれるような、心地よい滞在の時間がゆっくりと流れてゆきます。

そしてこのホテルには、青森の名物であるりんごを使ったお食事を楽しめるビュッフェレストランがあり、そこでは「津軽びいどろ」とのコラボレーションによって生まれた、心おどるようなユニークな仕掛けが用意されています。

赤い宝石を散りばめたような
「津軽びいどろ」が織りなすりんご畑

宿泊客の多くが利用するという「青森りんごキッチン」。りんごの魅力を丸ごと味わう、をコンセプトにした宿泊者専用のビュッフェレストランです。

料理だけでなくインテリアもりんごへのこだわりが見られます。空間の隅々までりんごの演出が散りばめられており、思わず写真をたくさん撮りたくなる、ホテルを象徴する場所のひとつとなっています。
エントランス天井を彩るのは、津軽びいどろで作られた真っ赤なりんごの実のオブジェ。レストラン奥にも、りんごの木をイメージした同様のオブジェがあり、これらを合わせると647個のりんごの実が使われているそうです。りんごをテーマとするレストラン全体の、まさにシンボル的存在です。これらはすべて、津軽びいどろのルーツでもある漁業用の浮玉に用いられる「宙吹き」という技法を活かしたもの。青森県伝統工芸士であるベテランの職人と若手の職人の手によって、一個ずつ丁寧に制作されました。そのため、目を凝らしてみると一つひとつに個性があるのがわかり、その微妙な色の違いもまた、実際のりんごの木のようなぬくもりを感じさせます。りんごへの愛が、津軽びいどろの技と出会ったことで、どこにもない唯一無二の作品が生まれました。

りんごの魔法

小さな宇宙の片隅で
時をとめる無垢なりんごたち
万有引力さえも及ばない
魔法のような永遠の世界

明るい木を基調とした店内に、真っ赤な「津軽びいどろ」りんごのオブジェ、青森のインテリアブランドBUNACOで作られたリンゴ型のオリジナル照明、南部裂織のウォールアートなどがそれぞれに魅力を醸しながら、あたたかな青森の伝統文化を伝えてくれています。
青森の地酒やビールを注文すると、津軽びいどろの酒器で提供されるので、手で触れながら、より身近に青森の伝統工芸品を感じることができます。

その美味しさを心ゆくまで
りんごメニューのオンパレード

インテリアだけでなく、料理ももちろんりんご尽くしです。「りんごとサーモンのマリネ」「帆立貝と生ハムのサラダ」「鶏と林檎のクリーム煮」をはじめ多彩なメニューが所狭しと並びます。特に人気なのが、ライブキッチンでお客様の前で仕上げる「あつあつアップルパイ」。お好みでソフトクリームを添えていただきます。熱々のアップルパイに冷たいソフトクリームが溶け、口の中で渾然一体となったおいしさは、リピートする人が多いのも頷ける逸品です。海外では“1日1個のリンゴは医者を遠ざける”とことわざになるほど、身体にも良いことで知られるりんご。青森の思い出に、めいっぱい楽しみたいものです。

奥入瀬の自然と向き合い続けた
岡本太郎の魂がいまも息づく

日本を代表するアーティスト岡本太郎の作品も、星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルを彩る魅力のひとつです。その一つが、高さ 8.5m、重さ 5tのブロンズ製の暖炉「森の神話」。ロビーの奥に広がる緑の木々を背景に、大空間のシンボルとして存在しています。このオブジェには、人間が共存してきた雄大な自然のモチーフが表現されています。巨大アートにもかかわらず圧迫感を感じないどころか、どこか懐かしさを感じさせるのは、文明のなかで分断され、忘れかけていた大切な生命を思い出させてくれるからかもしれません。

西館には岡本太郎の遺作となった大暖炉「河神(かしん)」があります。高さ 10m、重さ 7tのアルミニウム合金製のオブジェです。制作途中の1996年に岡本太郎が亡くなり、その後弟子の手によって完成されました。奥入瀬渓流の水しぶきが水の妖精「ニンフ」に変わっていく様子を表現した作品です。

この他、中庭にも、岡本太郎作品のレプリカが手に触れられる場所に設置されています。奥入瀬渓流をこよなく愛し、幾度となく通った岡本太郎が、独自の自然観、死生観、民俗学的観点を反映させた作品の数々は、時を経てなお多くの人の心を揺り動かすことでしょう。

水の妖精

奔る水 うねる流れは
奥入瀬に棲む妖精たちの息づかい
ただ一人 鬼才の眼差しが捉えた
悠久の自然が湛える神秘

手をかけて設えられた部屋で
至高の安らぎに身をゆだねて

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルには、西館、東館あわせて187室の客室が用意されています。渓流や雄大な自然を間近に感じられる「渓流和室」、家族や友人との語らいにぴったりの「なごみ和室」をはじめ、露天風呂付客室、特別室、モダンルーム、ツインルーム、ペットルームとニーズにあわせて多様な中から選ぶことができます。
そして、外湯には奥入瀬渓流を望む絶景の露天風呂が設けられており、八甲田山から湧き出る優しい肌触りのお湯を、四季折々の景色とともに楽しめます。大自然に囲まれて、ゆっくりとくつろぎ、羽を伸ばしてみてはいかがでしょう。

木漏れ日が差し込む森を
苔の感触を楽しみながら歩く

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルは、「渓流スローライフ」をコンセプトに、のんびりと自然の中で過ごすことを推奨しています。奥入瀬では、整備された遊歩道を川沿いに歩くことができ、渓流を目前に見ることができるため、老若男女みんなが自然に触れることのできる全国でも稀少な場所となっています。滞在中は、ぜひスローな時間を感じながら森林散策に出かけてみましょう。

緑豊かな渓流に広がっているのは、落葉広葉樹の森です。葉の一枚ずつが薄いため、陽の光が透けて地面に淡い優しい木漏れ日を落とします。そのため森全体の明るさがひとつの特徴といえます。屋久島、北八ヶ岳と並んで「日本三大苔の聖地」と呼ばれるほど豊かな苔が大地を覆い、人智を超えた悠久の時を感じさせます。同じ種類でもひとつずつ異なる植物を観察していると、自然が生む奇跡のような造形美に魅了され、何時間でも森にいることができます。胸いっぱいに深呼吸して、全身で感じる奥入瀬渓流の心地よさは、訪れた誰もが虜になることでしょう。

こけ玉のかくれんぼ

もういいかい まーだだよ
きみにもし みつかっちゃったとしても
ぼくらのひみつの このばしょは
みんなにはぜったい ないしょだよ

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
「青森りんごキッチン」レストランマネージャー

中野渡 朱莉

「青森りんごキッチン」の特徴を教えてください。

りんごは青森を代表するモチーフでもあり、青森りんごキッチンではお食事もインテリアもりんごにこだわって、お客様に「青森に来た」という実感を得ていただける場所になっております。エントランス前とレストラン奥にある647個もの津軽びいどろで作られたりんごの実のオブジェ、BUNACOのリンゴ型のランプシェード、南部裂織のウォールアートもすべて可愛いと人気です。津軽びいどろは、地酒用のおちょこと片口、ビアグラスなどテーブルウェアとしても使用しています。 すべてにおいてお客様の期待、想像を超える驚きを提供する場所であるよう心がけています。

オススメのメニューはありますか?

りんごは生産量全国第一位で国内製造量の約6割を占めている、青森を代表する農作物。デザート以外にもりんごのピクルスや鶏と林檎のクリーム煮など食事メニューも豊富です。特にその場で調理してお渡しする「ライブキッチン」は目玉で、出来立ての「あつあつアップルパイ」「帆立貝の贅沢丼」はオススメです。ドリンクは、青森の地酒、地元の奥入瀬ビール、「奥入瀬 AOMORI CIDRE」が人気となっています。「奥入瀬 AOMORI CIDRE」は、A-FACTORYと共同開発した奥入瀬渓流ホテルオリジナルのシードル。レストランで飲んで気に入って、お土産に買っていかれるお客様もたくさんいらっしゃいます。(※仕入れ状況により、提供内容が一部変更になる場合があります。)

津軽びいどろとのコラボレーションの経緯は?

「青森りんごキッチン」立ち上げ時の企画です。デザイナーからのご紹介で津軽びいどろのオブジェを検討することにしたのですが、レストラン全体をりんごの木に見立てる内装デザインの中で、津軽びいどろのりんごは、まさしくコンセプトを象徴する存在になりました。そしてこの取り組みが、星野リゾートと津軽びいどろとのはじめてのコラボレーションでもありました。その後「青森屋」「界 津軽」でのコラボレーションにも繋がり、より多くのお客様に驚きと感動を与えるとともに、青森の伝統工芸品を身近に感じていただくキッカケとなったと考えています。ここがスタートの地。ぜひ皆様に「青森りんごキッチン」を訪れ、見ていただきたいです。

ギャラリー

奥入瀬渓流ホテルの魅力紹介

ぜひ体験してみたい
奥入瀬渓流ホテルオリジナルコンテンツ

夏秋限定の朝食プログラム

渓流テラス

渓流の水音を聞きながら、涼やかに朝食を。隣のテーブルとも離れており、それぞれの時間を優雅に過ごせます。可愛らしいボックスには、オープンサンド、キッシュ、ソーセージやミネストローネスープからヨーグルトなどのデザートがぎっしり。青森ならではのお勧めワインやシードル、りんごジュースなども楽しめます。

期間:5月~10月 場所:西館1階 渓流テラス
※荒天時は店内での飲食になります。

森の学校

奥入瀬渓流を熟知したネイチャーガイドであるスタッフが、奥入瀬渓流の成り立ちや、生息する珍しい動植物について説明してくれます。画像でその姿を見たり、実際の鳥の鳴き声など音声や動画をまじえて確認する講義はわかりやすく、翌日の渓流散策で「あれは幸せの青い鳥オオルリだね」といった楽しみ方もできます。

毎日20:00~20:30(時期によって開催時間が異なります)
料金:無料 予約:不要 場所:ラウンジ 河神(かしん)

3密回避の

安心プライベートツアー

事前予約のオプションで、ネイチャーガイドが天候や自然のコンディション、参加者の体調や嗜好に合わせて、ゆっくりじっくりと時間をかけて一緒に回り、奥入瀬渓流の自然を解説してくれます。勢いよく流れる滝、100種を超える木々、約300種の苔…目にも優しい緑色の美しい夏の森ならではの見どころを満喫できます。

料金:1名~4名 22,000円(*5名以上の参加は1名につき2,200円追加、3歳未満無料) 所要時間:3時間30分 要予約 ※その他「奥入瀬ガイドウォーク」「苔さんぽ」などのツアーもございます。

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル

〒034-0301 青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル 公式サイト
https://www.oirase-keiryuu.jp/

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