【読みもの】百色の青森 津軽びいどろを訪ねて

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青森をつくる いろ ひと こと

『津軽びいどろ』の生まれた青森県の多彩な「いろ」と「ひと」と「もの」、そして「こと」を訪ねて取材、土地の魅力を発信していくコンテンツです。今回は、海外からも注目されている青森の桜景について、代名詞でもある弘前城と、鶴の舞橋、岩木山山麓の見所についてご紹介します。

青森をつくるいろ

日本人の心をとらえる、幻想的な青森の桜 日本人の心をとらえる、幻想的な青森の桜

弘前公園、鶴の舞橋、岩城山麓桜並木。
いま注目の桜スポット青森へ。

春が近づくほど、待ち遠しく感じる桜の開花。わずか2週間ほどの桜の頃には、時を惜しむように花を愛でる方も多いことでしょう。日本にはたくさん桜の名所がありますが、いま国内外で注目を集めているのが、青森です。青森の見頃は4月末〜5月頭、関東以南よりも遅れて咲くことから、GWにあわせた旅行先としても人気となっています。

花霞、桜吹雪、花筏。
一生に一度は見たい桜景「弘前公園」。

日本人が愛してやまない桜は、古事記や日本書紀の時代からすでに、私たちの日常と共にありました。平安時代頃には源氏物語といった作品や和歌にも多く登場するようになり、江戸末期にソメイヨシノが誕生すると、薄紅の華麗さと桜吹雪の見事さから全国的に植樹が広まり、より日本人の春を染めていくこととなります。いまや日本を代表する桜の名所・弘前公園も、明治初期の廃藩置県をきっかけに、ソメイヨシノの植樹がはじまりました。弘前公園は、弘前城の城郭をそのまま利用した佇まいの美しさも人気のひとつです。城下町として栄えた街だったため、江戸幕府が終わりを迎えるとたくさんの武士や刀鍛冶が職を失ったのですが、腰の刀を鋏に替えて、荒廃した弘前城を桜で立て直していったのだといいます。

桜の色と薫りに包まれて

ごく淡いソメイヨシノの
瑞々しい薫りに、ふと気付く。
幻のように広がる桜の雲が
すぐ近くにある、ここだからこそ。

弘前公園が日本を代表する桜と名所となるまでには、青森だからこそ生まれた“桜守”の存在が大きく関わっています。弘前公園には樹木医の資格を持つ“桜守”が常駐していて、52品種・約2600本もの桜が春に最高の見頃を迎えられるように、一年中徹底した管理が行われているからです。青森の特産品・りんごの樹に用いられる剪定技術“弘前式”で守られた桜は、樹高が低く花芽が豊かなために、唯一無二の桜景を見せてくれます。目線の高さで花の雲がどこまでも広がる光景は幻想的で、花吹雪が外濠の水面に浮かぶ“花筏”は絶好の撮影ポイントに。見事なしだれ桜や日本最古のソメイヨシノ、桜の枝が描くハートもフォトジェニックです。

日本一の木造三連太鼓橋「鶴の舞橋」で、
桜並木と桜色の夕景に浮かぶ。

青森の桜の名所は、ほかにもたくさんあります。なかでも「津軽富士」の別名をもつ、雪を冠した岩木山を背景とした景色は青森ならでは。弘前公園からも岩木山を望めますが、地元の人が知る穴場スポットといえば、「鶴の舞橋」と岩木山の麓にある「世界一の桜並木」です。
鶴の舞橋では木造の優美な三連太鼓橋が、岩木山の“逆さ富士”と桜を映す湖面に架かり、遠景はもちろんのこと、橋の上から見渡す景色も格別です。さらに鶴の舞橋で出会える夕景はすばらしく、空も水面も深い桜色に染まっていく時間は、息を呑む美しさに。弘前公園からは車で30分ほど、青森市内からは一時間ほどなので、夜ご飯の前に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。昼間であれば、ピクニックもおすすめです。

桜色の奇跡に出会う

岩木山の方へ陽が落ちていく。
空は桜色に染まって、水面も染まって
別世界になっていく。
そんな、わずか数十分の奇跡。

岩木山の麓、約20kmの
「世界一の桜並木」で春のドライブを。

弘前公園から車で25分ほどの岩城山山麓には、「世界一の桜並木」の愛称で親しまれる絶景スポットも。約20kmに渡って咲く6500本ほどのオオヤマザクラが圧巻で、春のドライブにぴったりです。弘前市内より標高が高く寒暖差も大きいため、弘前公園とは異なる時期に開花することもしばしば。時期にあわせて、さまざまな場所でお花見ができるところも弘前ならではの魅力です。もしも時間があれば、朝のドライブもぜひ。朝の光に透けた花びらが、硝子細工のように輝きます。オオヤマザクラは花びらの色がすこし濃いために、きれいな桜色に透けるところもポイントです。
また、岩木山の麓には広大なりんご畑が広がっているので、桜見頃が過ぎた頃には「りんごのお花見」も楽しめます。青森の人にとっては、りんごのお花見は桜のお花見と並ぶ定番中の定番。爽やかな香りの中、シードルで乾杯、というのも素敵です。

今回登場したステキな場所は...

  • 弘前市の中心部に位置する、総面積約49万2000平方メートル(約14万9000坪)にも及ぶ公園。藩政時代に弘前藩10万石を治めた津軽家代々の居城であった弘前城が基となっています。桜をはじめ、四季折々の多彩な草花が植えられた憩いの場。
  • 春には桜の名所となって、津軽富士見湖のまわりが薄紅色に。春霞の奥に岩木山が浮かぶのも幻想的。秋は紅葉が美しく、近くの道の駅つるた「鶴の里あるじゃ」では収穫された季節の味覚もたくさん並びます。冬は水面に氷が張り、降り積もった雪で一面の銀景色に。
  • 別名「津軽富士」と呼ばれる霊峰・岩城山の麓にある並木道。百沢~嶽エリアの国道沿い約20キロメートルの間に、6500本ほどのオオヤマザクラが並びます。植樹は地元の方が1985年から続けているもの。シバザクラも楽しめる遊歩道もあり、散策もできてドライブには最適。

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