【読みもの】百色の青森 津軽びいどろを訪ねて

  • 百色の青森 下北半島
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青森をつくる もの ひと こと

『津軽びいどろ』の生まれた青森県の多彩な「いろ」と「ひと」と「もの」を訪ねて取材、土地の魅力を発信していくコンテンツです。今回は下北半島の大地や自然、人の営みが織りなす色に焦点をあてて『津軽びいどろ』に宿る色の原点を巡っていきます。

青森をつくるいろ

色彩豊かな魅力あふれる下北半島 色彩豊かな魅力あふれる下北半島

菜の花畑、海の絶景、夏夜の漁火、
満点の星空、幻の秘境
個性に彩られた下北半島を探索

下北半島は、太平洋・陸奥湾・津軽海峡と3つの海に囲まれた本州の最北端。特徴的なかたちから“まさかり半島”とも呼ばれ、その雄大な自然から半島全体が下北半島国定公園として指定されています。神秘的な絶景や豊かな文化に恵まれ、近年では「下北ジオパーク」として注目されている土地です。ドライブにも最適な、色彩豊かな半島の魅力についてご紹介します。

はじめての景色

どこにもない、どこでもない
はじめて目にする景色が
思いがけない出会いが
ここにはあった。

春には辺り一面黄色に染まる、
空と海と風に寄り添う横浜町。

青森には風力発電に適した場所が多く、風力発電の導入量は全国一位となっています。なかでも年間を通じて強い風が吹く下北半島は、風車が林立した近未来を思わせる風景が特徴です。陸奥湾沿いには「吹越」という地名があるほど風が速く、海岸線には防風林が延びています。

春の名所として人気の高い“本州一の面積を誇る菜の花畑”があるのは、そんな風車が立ち並ぶ横浜町です。視界いっぱいに菜の花畑が広がり、色鮮やかな黄色の絨毯は、青く広い空と海、風に揺れる草原と風車を遠景として、眺める場所によって表情の違いも愉しめます。津軽びいどろ「12色のグラス(菜の花)」の色合いは、横浜町の一面に咲く菜の花が風に揺れる一瞬を、色ガラスで繊細に表現しています。

海と空の境界線、尻屋崎。
青色の絶景に映える白亜の灯台。

下北半島の東端、津軽海峡と太平洋の境目を見渡せる尻屋崎は、「美しい日本の歩きたくなる100選」にも選ばれるほど。晴れた穏やかな日には青く煌めく遥かな海と、爽やかな風が心地良い場所です。尻屋崎はかつて、潮の複雑な流れから航海の難所“難破崎”として恐れられていました。明治時代、日本が世界と交易を行うようになると、イギリスの設計士によって灯台が建てられることとなりました。現在の尻屋崎を象徴するレンガづくりの白亜の灯台です。東北最古の灯台は海の安全を見守りつつ、絶景に美しいアクセントを加えています。また、尻屋崎に放牧され気ままに過ごしている馬たちも、他では見られない風景のひとつです。ここで過ごしている馬は「寒立馬」という寒さに強い固有種。遮るものもなく広がる水平線に、ゆくりと草を食む馬を眺めていると、時を忘れてリラックスすることができます。

ふたつとない色

いろんな青があることに
空を見て、海を見て気づく。
世界でたったひとつの色が
いろんな所にあった。

紺青の海に輝く漁火と、
漆黒の空に星々が輝く大間町。

大間町の先端、本州最北端の大間崎は、かつて北前船や東回り航路で江戸へ向かう船が行き交う、航行の要衝でした。北海道とは約17.5kmしか離れていないものの海峡は流れが速く、陸生物の行き来が難しかったため、北海道と本州との動物分布の境界線(プラキストン線)となっています。大間崎はマグロ漁とイカ漁が有名な港でもあり、6月になるとイカ釣り漁船の漁火が見られます。漁船がイルミネーションのように夜の海に浮かび、ぽつりぽつりと浮かぶ漁火は紺青の水平線に並んで、初夏の大間を幻想的に彩ります。漁火だけでなく、漆黒の夜空に輝く美しい星々もまた魅力です。都会では気づくことのできない小さな星まで見えて、晴れている日にはまさしく満天の星空に出会えます。僅かな間に、小さな流れ星がいくつも流れていく様子は感動ものです。

神秘的な月色の奇岩が並ぶ仏ヶ浦、
碧く澄んだ海岸線。

峻厳な奇岩が立ち並ぶ奇勝、仏ヶ浦。かつては地元の人にしか知られていなかった秘境で、アイヌ語の「ホトケ・ウダ(仏のいる浜)」が名前の由来ともいわれています。月色の岩肌と碧色の海野コントラストが美しい、まさに異世界のような光景が印象的です。船、もしくは車で向かうことができますが、駐車場から100mもの高低差があり熊なども目撃されているため、遊覧船で向かうのがオススメ。遊覧船は佐井港から片道約30分で到着します。

仏ヶ浦は、約2000万年前の日本列島形成時、火山活動によって積もった灰が堆積した緑色凝灰岩(グリーンタフ)の地質です。凝灰岩はもろいため、津軽海峡の荒波と烈しい風雪によって奇岩立ち並ぶ光景となりました。海から見た仏ヶ浦は、エメラルドグリーンに輝く波に囲まれて、とても神秘的です。緑色凝灰岩は水に濡れると緑が鮮やかに映えるため、海が碧色に見えるのだそうです。そして船から浜へ降り立つと、岩の大きさやスケール感に圧倒されます。どこか違う国、違う世界を旅する気分を味わえる、下北半島の美しい異境です。

今回登場したステキな場所は...

  • 下北半島の中間部、陸奥湾に面した町。“よこはま”の名の通り、細長くのびる浜をもつ。海に沿うようにはしるJR大湊線も人気です。春には広大な菜の花畑が名物で、丘陵には牧草地と風力発電が混在し、印象的な光景を生み出している。
  • 下北半島国定公園に指定され、寒立馬が放牧されている観光の要所。岬の北側は津軽海峡、東側は太平洋で、潮の変わり目となっている。エリアの入り口にはゲートが設けられていて、夜間と冬季は閉鎖されるので注意が必要。
  • 下北半島西岸、佐井村南部にある景勝地。古くは仏宇陀(ほとけうだ)と呼ばれていた。陸奥湾口の平舘海峡に面した、約2kmにわたる峻厳な地形。極楽浄土の景色になぞらえた奇岩・巨岩が並び、日本の秘境100選にも選ばれています。

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