【読みもの】百色の青森 津軽びいどろを訪ねて

  • 百色の青森 サウナカー『UNITED AOMORI』
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青森をつくる いろ ひと こと

『津軽びいどろ』の生まれた青森県の多彩な「いろ」と「ひと」と「もの」、そして「こと」を訪ねて取材、土地の魅力を発信していくコンテンツです。今回は青森の大自然の中で”ととのう”「サウナカー」で起業された『UNITED AOMORI』代表の冨岡未希さんに、青森ならではのサウナカーの魅力と愉しみ方について伺いました。

青森をつくるひと

made in 青森でととのう「サウナカー」の魅力 made in 青森でととのう「サウナカー」の魅力

青森の豊かな自然をサウナカーで巡る、
贅沢で特別な体験を。

アウトドアライクで、素敵なデザインの車。一見するとキャンピングカーのように思えますが、実はこの車は、青森の豊かな自然のなかでサウナを愉しむための、特別な「サウナカー」なのです。運営するのは『UNITED AOMORI(ユナイテッドアオモリ)』の冨岡未希さん。地元青森を離れて東京の会社員として働きながら、パラレルワークとして夢だったサウナカーを実現させた冨岡さんに、サウナカーの魅力と、青森で“ととのう”魅力についてうかがいました。

五感がもどる

80℃以上のサウナ
そのあとは水風呂
コップ一杯の水と
渡る風のなかで

青森のひと・もの・ことだけで創る、
ここにしかないサウナカー。

『UNITED AOMORI』のサウナカーは、つがる市でキャンピングカー製作を手掛ける『Car Factory TARBOW(カーファクトリー・ターボー)』の特別製です。他にはない経験ができるサウナカーとして、サウナの機能や安全性はもちろん、デザインにも妥協したくなかった冨岡さんが、エンジニアの方々と創り上げたこだわりの一台。サウナの高温に耐えられる仕様、煙突をつけるためのラダー、サウナのあとにヨガやストレッチができるルーフ…車体側面の木の板は、取り外すとテーブルとして使えるなど、随所に使いやすさとアイディアが盛り込まれています。
また、サウナ室の板材は、木目が美しく抗菌力の高い名木「青森ヒバ」が使われています。青森ヒバは香木と呼ばれるほど香りが豊かで、サウナ室にいるとまるで森の中にいるような心地よさで、とてもリラックスできました。

ほかにも、『UNITED AOMORI』のサウナカーはすべてがmade in 青森です。たとえば、いま人気のロウリュも楽しめるストーブは、五戸の『サンライズエンジニアリング』のアウトドア人気ブランド「Phoenixrise(フェニックスライズ)」のもの。全身をやさしく叩いて血行促進を促すヴィヒタは風間浦の白樺です。薪にもヒバが使われていますが、下北半島の豪雨災害で出た流木を乾燥させたものなのだとか。ヒバの薪はパチパチと爆ぜる特徴があり、サウナの時間を味わい深いものにしてくれます。
青森の魅力をギュッとひとつにしたサウナカーには、青森を愛するひとたちの想いが集まり、常にリニューアルや改良が行われているのだそうです。サウナに関わるアイテムの開発も進んでいて、津軽びいどろもランプシェードなどでご協力できればと考えています。オール青森で創られたサウナカーが、青森の素敵な景色を巡る…想像しただけで素敵な光景です。

青森の四季を活かした
“サウナカーの愉しみ方”を企画中。

「わたしは東京での社会人生活に少し疲れてしまったとき、サウナに出会いました。心身のバランスがよくなって“ととのう”心地よさに気づいたんです。東京での仕事もやりがいがありましたが、地元の青森に帰りたいという想いもあり、青森で、自分の好きなサウナをはじめたいと考えるようになりました」
一度地元を離れたことで第三者の目線で青森の魅力に気づいたという冨岡さんは、もっと青森のいろんな所を見て回りたいと思うようになり、サウナカーにたどり着いたのだといいます。 「車でいろんな道を走ると、知らなかった美しい景色や、おもしろいポイントがたくさん見つかるんです。サウナカーで旅をして、好きな景色を眺めながらサウナができたら最高ですよね」

そうして、いつか起業するために勉強を進めていた冨岡さんを応援するように、所属していた会社では働き方がフレキシブルになり、副業も許可されるようになりました。現在は本業の合間に“好きなサウナを仕事として”楽しまれています。
「サウナカーは個人として楽しむのであれば比較的どこででもできますが、事業となると保健所の管轄ごとに申請と許可が必要になります。いまはモヤヒルズキャンプ場での実施や、イベントへの出展がメインとなっていますが、青森には素敵な場所がいっぱいあるので、これから実施場所を増やしていくことが目標です」
冨岡さんオススメのスポットは、せせらぎに癒される七戸の河原や、津軽海峡を望む鋳釜崎。春は弘前の桜、夏は浅虫ビーチ、秋は奥入瀬や薬研の紅葉、冬は雪にダイブするなど、四季折々の楽しみ方も構想のなかにあるようで、これからの活動がますます楽しみになりました。

非日常の癒し

細い煙突から棚引く
香ばしいけむり
薪の爆ぜる音
炎のゆらぎ、全てが

目標は、青森を“サウナ県”として
サ活・サ旅の目的地にすること。

「サウナカーの大きな目標は、青森を“サウナ県”にすることなんです。青森は人口あたりの銭湯の数が日本一多い県なのですが、人口減少や、後を継ぐ人が居ないことを理由に閉店してしまう銭湯も多くて…。他県から青森へ“サ旅”(サウナ旅行)してくれる方が増えてくれたら嬉しいです。温泉も多いですから、温泉県でありサウナ県でもある。美しい自然も、おいしい料理も、あたたかい人の絆もあります。サウナカーを通じて、青森のためになることをしていきたいです」
サウナカー以外にも、イラストを描いてPOPをつくるなど、産直のお手伝いをしている冨岡さん。サウナに入れるシェアハウスをつくる夢もあるのだとか。自分のチカラでできる限りのことを、地元のために楽しみながら、全力で。そんな冨岡さんだからこそ、彼女のまわりには同じ熱量の同志が集まり、新しくおもしろい取り組みが次々と生まれていっています。

農家とのタイアップで畑サウナを実現。
甘く香るりんごの薪も。

最近では、農家さんとのタイアップも実施されています。津軽びいどろが同じ頃に取材をさせていただいた「相馬克彦りんご園」の相馬澄佳さんとも、りんご畑でサウナ体験をご一緒されていました。青森を支える畑でのサウナは、冨岡さんにとって憧れだったのだといいます。りんご園では、剪定した枝をわけてもらって、それをサウナの薪にすることもあるのだとか。りんごの薪はゆっくりと大きく燃え、ほんのりと甘さが香ります。運が良ければ、サウナカーにりんごの薪があることも。りんごの薪は市場に出回ることがあまりないので、これも青森ならではの特別な体験です。
『UNITED AOMORI』サウナカーは、公式WEBから予約できます。水風呂やチェアも用意してくれるので、持ちものは水着やポンチョなどのサウナ着や、身支度に必要なものだけで大丈夫です。青森の自然のなかで、これまでにないディープリラックスをぜひ体感してみてください。

ギャラリー

今回の取材でお話をお聞きしたのは...

青森トトノイアテンダント
冨岡未希さん UNITED AOMORI

青森県むつ市生まれ、八戸市育ち。ミスねぶたグランプリ2009、サウナ・スパプロフェッショナル、ヨガインストラクター(RYT200認定) 。東京で会社員として働きながら、パラレルワーカーとして青森へUターン。起業支援のクラウドファンディングで支援を募り、『UNITED AOMORI』として起業。サウナカーを活用して青森の魅力とサウナの魅力を発信している。

https://unitedaomori.rezio.shop/ja-JP

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